大岩根 尚

Hisashi Oiwane, Ph.D.

Chief Planetary Officer / 環境活動家

My Purpose

人生のパーパスとこれまでの旅路

人と地球をむすびなおす

1982年宮崎生まれ。地質学・海洋地質学を専攻し、2010年に東京大学にて博士号(環境学)を取得。卒業後は国立極地研究所にて南極観測隊として、気候変動に関連する研究に従事。2013年10月、鹿児島に移住し、三島村の役場職員に転身。地球科学を活かした地域活性化に取り組む。2017年、同村の硫黄島に移住し合同会社むすひを起業。自然に触れながら地球と自分について考える自然ガイドやリトリート、全年齢層を対象にした気候変動やSDGs、キャリアなどの講演やワークショップ、 書籍「DRAWDOWN」の翻訳協力や実践サポートなど、「人と地球をむすびなおす」というコンセプトで、文明と地球の関係性を等身大で問い直す活動を展開中。

Works

取り組んできたこと

第53次日本南極地域観測隊

2010年4月~2013年10月、国立極地研究所に特任研究員として勤務。南極周辺の気候変動に関連する研究に従事した。1ヶ月間の南極海での海洋地質学調査では、海底の地層から過去の海流の変化の痕跡を発見し、論文に発表した。一方、南極大陸内陸部セールロンダーネ山地での地形地質学的調査では、-20℃の極寒の中、キャンプで滞在。スノーモービルで移動し山に登り、岩石を採取し持ち帰る100日間の過酷な調査を完遂した。

「三島村・鬼界カルデラジオパーク」の認定

2013年10月に鹿児島県で最も小さな自治体である三島村役場の地球科学研究専門職員として就職。硫黄島を中心に、火山の硫黄を用いた線香花火づくり、温泉の海でのシーカヤックやダイビング、研究者との共同研究など、地球そのものを活かした遊びや学びを数多く開発。3年半で1200人ほどを島に案内。これらの活動を通じて
三島村・鬼界カルデラジオパークの認定を主導した。

硫黄島での、地球と自分とつながりなおすリトリート

「自分にとって本当に心地よい働き方、暮らし方とは?」
2017年、役場職員を辞めて硫黄島に移住し、起業。研究者→行政→起業というキャリアは、自分にとってのこの問いの答えへと近づくことでもあった。便利さや肩書き、報酬の高さといった世間の常識への囚われから、自分自身にとって快適な生き方へとシフトする。過去を手放し、自分の未知の可能性に飛び込む勇気をくれたのは、地球そのものから受け取る感覚だった。そんな自分の体験を、硫黄島を通じて、様々な対象に合わせて提供するリトリートを行ってきた。

気候変動/SDGs 講演・ワークショップ

自身が南極観測隊として調査を行なっていた経験をもとに、気候変動の過去・現在・未来について理解するための情報提供や、自治体、地域、企業、学校、家庭、個人として、SDGsや気候変動について理解しアクションを生み出すための場を多数主催。
2030SDGsカードゲーム、講演や対話の場、書籍「DRAWDOWN」の翻訳など様々なチャンネルを用いて、自身の生活や日常の行動と世界規模の問題との繋がりに気づき、アクションを起こすためのサポートを行っている。

論文など

環境・社会・経済に配慮したジオパークビジネス (特集 ソーシャルビジネスとジオパーク)
大岩根 尚 
地理 64(5), 56-59, 2019-05

ジオパークによる過疎地域再生の取り組みと地域活性化
大岩根 尚 
森林環境2018

堆積物から超大規模噴火の継続時間を読みとる方法
長谷川 健, 望月 伸竜, 大岩根 尚
地学雑誌 2018年 127巻 2号 273-288

鹿児島県竹島における鬼界アカホヤ噴火以降の黒ボク土の生成要因—リュウキュウチク群落との関係から—
井上 弦, 杉山真二, 大岩根 尚, 山中寿朗, 溝田智俊
地学雑誌 2018年 127巻 6号 759-774

Ecophysiology of Zetaproteobacteria Associated with Shallow Hydrothermal Iron-Oxyhydroxide Deposits in Nagahama Bay of Satsuma Iwo-Jima, Japan
Tatsuhiko Hoshino, Takashi Kuratomi, Yuki Morono, Tomoyuki Hori, Hisashi Oiwane, Shoichi Kiyokawa and Fumio Inagaki

The weathering of granitic rocks in a hyper-arid and hypothermal environment: A case study from the Sør-Rondane Mountains, East Antarctica
Tatsuo Kanamaru, Yusuke Suganuma, Hisashi Oiwane, Hideki Miura, Makoto Miura, Jun'ichi Okuno, Hideaki Hayakawa
Geomorphology 317 (2018) 62–74

薩摩硫黄島における低周波数のピークを有するサイト増幅特性の要因分析
山田 雅行, 伊藤 佳洋, 長尾 毅, 野津 厚, 長坂 陽介, 大岩根 尚
地震工学論文集第35巻(論文)2016 年 72 巻 4 号 p. I_691-I_699


三島村のジオパーク認定に向けた取り組み
大岩根尚
KER経済情報 6 月号 p. 8-11 (2015)

鹿児島県三島村における学術情報の発信
大岩根尚
地理 59 (2014) 44-51.

Sediment waves on the Conrad Rise, Southern Indian Ocean: Implications for the migration history of the Antarctic Circumpolar Current.

Hisashi Oiwane, Minoru Ikehara, Yusuke Suganuma, HidekiMiura, Yasuyuki Nakamura, Taichi Sato, Yoshifumi Nogi, Masako Yamane, Yusuke Yokoyama.
Marine Geology 348 (2014) 27-36.

Geomorphological development of the Goto Submarine Canyon, northeastern East China Sea.

Hisashi Oiwane, Satoshi Tonai, Shoichi Kiyokawa, Yasuyuki Nakamura, Yusuke Suganuma, Hidekazu Tokuyama.
Marine Geology 288 (2011) 49-60.


Hydrothermal fluid flow system around the Iheya North Knoll in the mid-Okinawa trough based on seismic reflection data.

Takeshi Tsuji, Ken Takai, Hisashi Oiwane, Yasuyuki Nakamura, Yuka Masaki, Hidenori Kumagai, Masataka Knottier, Fujio Yamamoto, Tadashi Okano, Shin'ichi Kuramoto.
Journal of Volcanology and Geothermal Research 213-214 (2012) 41-50.

Differential timing of vertical-axis block rotations in the northern Ryukyu Arc: Paleomagnetic evidence from the Koshikijima Islands, Japan.
Satoshi Tonai, Yusuke Suganuma, Juichiro Ashi, Tetsumaru Itaya, Hisashi Oiwane, Shoichi Kiyokawa.

Tectonophysics 497 (2011) 71-84.

北部沖縄トラフと甑島列島北部の構造発達史
大岩根尚、藤内智士、清川昌一
堆積学研究 64 (2007) 137-141.

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