組織の未来と、一人ひとりの「今ここ」を対話する、キーマン全員集合!の2days幹部合宿

Client: 株式会社ecommit

Period: 2021年6月-7月

Team: 平野知実・石川世太

Outline

概要

物で満たされた、大量生産大量消費社会。でもその反面、地球環境は悲鳴をあげています。2015年9月の国連サミットで、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(SDGs)が、加盟国の全会一致で採択される8年前も前から、循環型社会をつくるべく、鹿児島で猛進を続けているのがecommitです。事業が大きく躍動する中で、規模拡大に向けて、「腹を割って話そう」と、幹部が集いました。

Vision

実現したい状態

新年度の新組織体制へ向けて、経営幹部が一枚岩になる。

創業から14年、急成長を続けてきたecommitがさらに段を上げて加速するために、部署間・社員間のさらなる連携と、拡大に伴う組織の変化に対応できる文化形成が必要であることが見えてきました。事業成長に合わせた現場での対応と、組織成長に際し自然と起こる関係性の変化への対応。複雑に影響し合う多数の事柄について、幹部が俯瞰し、現在地の背景にあるものに気づくことから、ありたい姿を共に形作り、合宿後にまっすぐに前進できる状態を目指しました。

Process

プロセスデザイン

1.社長・経営幹部との企画ミーティング

22歳で起業し、まっすぐに地球の未来を想い経営されてきた川野社長、彼を支える幹部メンバーと企画ミーティングを開始。事業の大きな展望と、そのために向き合う必要のある組織課題について語っていただき、さらに踏み込んだ質問を重ね、課題の本質を共に探究していきました。
その中で、開催予定だった新年度に向けての経営幹部合宿で、課題にアプローチする施策を組み込むデザインをしていきました。

2.キーマン11名へのインタビューと、参加者全員アンケート

幹部合宿の重要なテーマの一つが「それぞれが持っている本音が話されること」でした。組織においてありふれた課題であり、組織が変わるための大切なプロセスでもあります。それが起きるには、当日の場が心理的に安全であると感じられることが欠かせません。そのための場づくりは、事前から始まります。
「一人ひとりが何を感じ、何を思っているのか?」を伺う事前アンケートと、役職者を中心に11名へのインタビューを行い「今、組織に何が起きているのか?」を様々な視点から検証、そこから場の設計を行いました。特にインタビューの過程では少しずつ信頼関係が育まれ、当日のデザインとその実施可能性をイメージするために大きな要素となりました。

3.[day1] 皆の本気の場づくりの中、踏み込んだ対話が展開する

普段は全国の各拠点で業務に向かうメンバーが一堂に会し、合宿が始まります。1日目のテーマは「対話」。多様なメンバーが2日間、安心安全をベースに効果的な時間を共にするためのありたい姿を共有し、人・組織・関係性についてのインプットをお伝えした上で、普段であれば踏み込まないかもしれない話題をまっすぐ扱っていきました。改めてつながりを感じられた上で、川野社長から観える会社の現在地と、いくつも見えている大きなチャンスについてのプレゼンがされ、場に湧いた大きな活力を感じながら1日目を終えました。

4.[day2] 本音が出せる土壌だからこそ、皆が共に持つ本気のゴール設定ができる

2日目のテーマは「未来共創」。1日目に育んだ場とつながりを基に、一人ひとりの本音にさらに踏み込みながら「今本当に大切なことはなんなのか?」を集合的に見出していくフレームを用い、半年後に向け戦略的に焦点を当てるゴールを創り出していきました。合宿前であれば語られることが難しかったであろう領域が闊達に語られていくプロセスは、2日間を通してそれぞれから湧き出した自然な当事者意識が起こしたものであると感じます。

5.合宿後の振り返り・小さな変化をとらえ、望む変化を大きくしていく

全員が全力を尽くした合宿を終え、いくつもの変化やその兆しがあるようでした。事後の企画ミーティングでは振り返りを行い、その後の変化について、小さなことでも気づいて言語化し、それを継続・拡大するためになにができるかをひとつひとつ考える時間を持ちました。非日常である合宿の場が終わると、日々の多忙さに意識が再び向きますが、改めてみてみるといくつもの変化・前進があり、その気づきは変革を大きく力づけます。
新組織に向けた加速に入られる社長たちと、半年後の今回の続きとなる合宿への想いを語り、プロジェクトは一旦の終了を迎えました。

Harvest

収穫

新組織体制の確定と、「半年間の戦略的フォーカス」としての社内PJTの創出

合宿の大きなテーマのひとつであった新組織体制について、合宿での対話・議論を経て、参加メンバーの自発的な提案も組み入れられ、合宿後に確定。
また、事業・組織課題を解決するために、部署を横断する半年間のプロジェクトチームが複数結成されました。プロジェクトの精査は引き続き社内で行っていただくことに。

川野 輝之
株式会社ecommit
CEO

メンバーの心理的安全性を徹底的に重視した設計でチームの本質を引き出す

今回の合宿は幹部社員から若手社員まで幅広いセクションから選抜されたメンバーでの実施となりました。いつもならどうしても幹部社員の発言が多く、若手や別セクションのメンバーは発言が少ないという状況になりがちでした。musuhiのみなさまはそんな状況を丁寧な事前調整の際に見抜き、全メンバーの心理的安全性を確保することを徹底し、一人ひとりの本音を引き出すことに注力してくださいました。おかげ様でいつもは出てこないような積極的な意見があちらこちらで出てきて場の一体感が高まったと感じております。
ただ単に会議が整いアウトプットを出すことを目的にせず、その組織が持っている本質的な課題と解決策を引き出し、時には無理にアウトプットを出させないという選択すらしてしまう姿勢は本気で組織に向きあってくれているからこその誠実さだと思います。

その後当日の参加メンバー以外でも『心理的安全性を担保する』というような言葉が聞かれ、とても良い影響になったと感じています。今回いただいた気付きをきっかけにより良い組織づくりを追及していきたいと思います。
本当にありがとうございました。

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